8月13日、焼津神社の夏の大祭「荒祭(あらまつり)」が、今年も熱くフィナーレを迎えました。
朝から市の中心は、まさに祭り色一色! 2基の神輿を中心に、迫力満点の行列が一日かけて街を練り歩きます。
境内には、白装束を身にまとった数百人の祭り衆がずらり。
社殿から神輿が姿を見せると、「アンエットン!アンエットン!」の声が一気に響き渡り、担ぎ手たちは威勢よく神輿を上下に揺らします。
先頭を務めたのは、国選択・県指定の無形民俗文化財「獅子木遣(や)り」。
獅子頭や獅子幕、手古舞衣装の少女たちが、代々受け継がれたゆったりとした節回しに合わせて、静かに、そして堂々と進みます。
行列は30以上の役で構成され、華やかな衣装や力強い掛け声が次々と通り過ぎるたび、沿道の人々からは歓声と拍手。
炎天下にも負けない笑顔と熱気が、夏の空気をぎゅっと濃くしていました。
今年もまた、焼津の夏に欠かせないこの景色が、しっかりと心に刻まれました。
知ってた?お祭りに大切な「三つのツ」
焼津のお祭りって、ただワイワイしてるだけじゃなくて、実は大事にしてる考え方があるんです。
それが「三つのツ」──「続ける」「伝える」「つながる」。
「続ける」ってのは、昔からやってきたことを途切れさせないで守っていくこと。
時代ごとに色んな困難はあるけど、それでもやめないで続けるのが大事。
続けるからこそ、次の世代にちゃんと「伝える」ことができる。
そして、みんなで一緒にやるから、神様とも自分とも「つながる」。
仲間とのつながりもそう。つながるからまた続けられて、続けるからまた伝えられる──この繰り返し。
いいスパイラルなんです。
でも逆もある。「三つのダ」ってやつ
実は、お祭りをちょっとおかしな方向にしちゃう「三つのダ」もあるんですよ。
それが「だかしん(~じゃないか)」「だらえー(~だろうよ)」「だっちょうよ(~だったんだよ)」。
これ、話が人から人に伝わるうちに、どんどん尾ひれがついて意味が変わっていく様子を表してます。
例えば…あるお祭りの日、宮司さんが馬に乗ってて、ちょっと険しい顔してたんです。
理由はただ「暑いのに神輿が遅れてて、眉間にしわ寄ってた」だけ。
でも最初に見た人が「宮司さん、具合悪そうだっただかしん」。
次に聞いた人の口では「熱中症だらえー」に変わり、最後には「泡吹いて救急車で運ばれただっちょうよ」って、完全に別の話になっちゃう(笑)。
笑い話ならいいけど、災害時や緊急時はこれが危ないですよね。
噂はSNSで加速する
今はSNSでの拡散も早いですからね。
新聞社や記者はちゃんと裏取りしてから記事にするけど、SNSは見た人が自分の想像を混ぜて発信しちゃう。
「祭りで大きな役やると何百万円もかかる」なんて噂もそう。
実際はそんなにかからないのに、「みんな言ってる」で広まっちゃう。
その「みんな」って誰?って聞くと、だいたい飲み屋か世間話の中で盛られた話(笑)。
こういう根拠のない話が広まると、「うちじゃ無理だ」って空気ができちゃって、なり手がいなくなってしまうのは、神社や祭典委員も困ります。
実際は普通のサラリーマンでも仲間の助けを借りながら役を務めて、子ども3人を参加させた人もいます。
だからこそ「三つのツ」
お祭りは、ただ続けるだけじゃなくて、正しい情報を正しく「伝えて」、人と人とが「つながる」場にしていきたいですね。
悪い「三つのダ」じゃなくて、いい「三つのツ」を意識して、次の世代にも胸張って渡せるお祭りにしていきましょう。