こんにちは、やいだら通信編集部です。
静岡県にはいくつもビールの工場や蒸留所がありますが、焼津市にもあることを知っていますか?
実は焼津市にはサッポロビール 静岡工場があります。
このサッポロビール 静岡工場では、サッポロ黒ラベルや静岡麦酒などのポピュラーなサッポロビールを製造されていますが、伝説のホップと呼ばれている「ソラチエース」を使用した「SORACHI 1984」という世界からも注目されているビールも製造されています。
この記事では、そんな世界も注目する「SORACHI 1984」がどんな商品で、どんな歴史があり生まれたのか、今後の展望などをお伝えします!
ぜひこの記事を読んで、「SORACHI 1984」を味わうきっかけにしてください!
「SORACHI 1984」とは?
「SORACHI 1984」とはサッポロが生み出した、北海道で栽培されているホップ「ソラチエース」使用したビールです。
当初独特な香りを持つソラチエースは受け入れられなかった
1984年、9月5日。一つのホップが、北海道空知郡上富良野町で生まれました。これがのちに「伝説のホップ」と呼ばれることになる「ソラチエース」の誕生です。
ソラチエースは、独特な香りを有する稀有なホップで、作り手の想像力を掻き立てる大きな期待をもって生まれました。しかし、当時は強すぎる個性が受け入れられず、ビールとしては永らく商品化されることはありませんでした。
アメリカのクラフトビールブームを機に注目の的に
その後、陽の目を見なかった「ソラチエース」でしたが、アメリカに渡ることになり、そこで劇的な出会いがありました。
2000年初頭、クラフトビールブームに火がついたアメリカで、こぞってブルワリーがこのホップを使い始め、瞬く間に注目の的になりました。
そして、2019年。およそ35年の時を経て、「ソラチエース」を開発したサッポロビールが「SORACHI 1984」を発売しました。
「SORACHI 1984」の歴史年表
「SORACHI 1984」の誕生には長い歴史があり、3つのターニングポイントがありました。
そのターニングポイントごとの歴史を3章に分けて紹介します。
- 第1章:1871年→1984年 ソラチエースの誕生
- 第2章:1984年→2019年 SORACHI 1984の誕生
- 第3章:2019年〜 SORACHI 1984の冒険
第1章:1871年→1984年 ソラチエースの誕生
開拓使のお雇い外国人トーマス・アンチセルは、地質調査で訪れていた岩内地方の河畔で野生のホップを発見。
彼は、北海道はホップ栽培の最適地であり、2年で国内ビール醸造にも使え輸出できるほどの収穫が可能だと、時の開拓使次官であった黒田清隆に建言する。
彼の発見と建言もあって、ホップや大麦の持久を前提に開拓使麦酒醸造所、のちのサッポロビール株式会社が設立されることになった。
1911年(明治44年)、札幌工場でドイツから導入した8種のホップを育成し、その中で有望だったアーリーツーク種の増殖が決まった。
1917年(大正6年)から札幌近郊での契約栽培も開始し、さらに道内各地で試作を行った結果、1923年(大正12年)に、気候、風土、土質、生育状況、さらに収量、品質などを総合して最も優れ、また地形がドイツの産地に似ていることから敵地であると選ばれたのが北海道上富良野だった。
そこで大日本麦酒は1925年(大正14年)に上富良野にホップ園用地を購入。1926年(大正15年/昭和1年)10月にホップ園を開設。1927年(昭和2年)から植え付けを始める。
こうして、のちにソラチエースが生まれることになる上富良野とサッポロビールの歴史が始まった。
1969年(昭和44年)、ベト病にも強く、より優れた品種として信州早生からゴールデンスターを開発した森は、北海道でのホップの将来を考え、ホップの新品種を開発する計画を立ち上げる。
海外のアロマホップに負けない品種を開発するために、様々な特徴を持つホップ品種の組み合わせを地道に検証し、試験を繰り返した。
1977年(昭和52年)、その結果生まれたのが74K-S66-11と75K-B6-5。これがのちのフラノエースとソラチエースとなる。
サッポロビールの森さんにより開発されたコードネーム75K-B6-5は、当初から独特の強い香りが特徴だった。北海道空知郡の自社ホップ園で大切に育種され、1984年(昭和59年)9月5日に品種登録を果たした。
それはサッポロビールが育成したホップで始めての登録となった。
第2章:1984年→2019年 SORACHI 1984の誕生
日本ではまだ早すぎて受け入れ難かったソラチエースは、当時クラフトビールブームがすでに来ていたアメリカに進出します。そこから今のSORACHI 1984になるまでの苦難と軌跡をお伝えします。
ソラチエースは、品種登録を果たしたものの、独特すぎる香りは、当時の日本のビール事情には合わなかった。しかし、そこで廃棄されることなく、サッポロビール北海道原料センターの糸賀裕の手により、アメリカのオレゴン州立大学に持ち込まれた。
もともとソラチエースは苦味もありながら、強い香りを持つという高苦味アロマホップという世界の最先端をいくホップです。当時のアメリカはクラフトビールブーム。
遠くアメリカではな開く期待があったが、1994年(平成6年)のアメリカでもまだ、ソラチエースはまだ早く、すぐには受け入れられなかった。
アメリカに渡ったソラチエースに転機が訪れたのは、渡米から8年後。ワシントン州ヤキマ地方でホップ農場を営むダレン・ガメシュ氏との劇的な出会いから始まる。彼はソラチエースを高く評価し、各地のブルワリーに紹介していった。
それが「完成度が1ランク上がる」違いを作るホップとして評判になった。あっという間に注目の的になったソラチエースは、日本で生まれたホップが、世界のホップとなった瞬間になった。
ホップの開発から、育種、品種登録、日本からアメリカへ。
波乱の歴史を経て、世界にソラチエースが認められていった。
その誕生から35年、生みの親であるサッポロビールが満を辞して開発したのがSORACH 1984。ソラチエースの特徴的な香りを最大限に引き出しながら、誰にでも愛される飲みやすさを実現しました。
第3章:2019年〜 SORACHI 1984の冒険
ソラチエースが生まれたのは9月5日。
ファンと共に誕生日を祝う誕生祭や、メンバーシップなどファンと一緒に作り上げていくブランドとして確立してきました。
ソラチエースが品種登録された1984年(昭和59年)9月5日、その日を誕生日として19時8分4秒に乾杯してお祝いする毎年恒例のイベント「ソラチエース誕生祭」。
SORACHI 1984デビューの2019年(平成31年/令和1年)から続けているファンのための趣向を凝らした手作り感あふれるイベントです。さらに、他社も巻き込んだ業界の垣根を超えた革新的な取り組みにもなった。
日本で生まれ世界に認められたソラチエース。だからこそ、「国産ソラチエースだけを使ってSORACHI 1984を作りたい」という想いは強い。
でも現実は、日本で生産されている国産ソラチエースの量はごくわずか。夢のために誕生のち、北海道空知郡上富良野において国産ソラチエースを増やす取り組みが始まった。
さらに、2023年(令和5年)には、上富良野でさらに改植を進めると共に、東北でも改植が始まった。まだまだ長い道のりだが、夢に向かった新しい物語は確実に動き出しています。
ファンの人が選んでよかったと思えるブランドにするために、2023年(令和5年)ファンの方との繋がりをつくる新たな仕組み「SORACHI BASE」が本格始動した。
「SORACHI 1984」を愛する店主がいて、ソラチ好きが集うお店を「SORACHI BASE」に認定。さらに、一緒に夢の旅路を歩む仲間として、新たに「SORACHI MEMBERS」も募集。
お店・ファンと共に、夢の実現に向けて様々な活動を展開していく。
SORACHI 1984を飲んでみた感想
編集部の方でもSORACHIを飲んでみました!その感想をお伝えします。
まず、SORACHI 1984の缶を開けた時に感じるのが、独特な香ばしい・フルーティな匂いです。
「凜として、香りたつ」というキャッチコピーがまさに似合う匂いで、独特なウッディ感のある上品なホップの匂いが鼻を突き抜けます。
個人的にはスッキリした感じもあり、しかしIPAのような苦味・旨味があるというイメージでした。スッキリ感があるがホップの旨味もガツンと感じるというバランスの良い味です。
普段とは異なる、ホップを強く感じる重めのビールを飲みたい!という方にはとてもおすすめです。
このビールに合うのは同じような匂いの強さを持つご飯が合うと思います。
スパイシー系のおつまみや、匂いの強いチーズ、餃子や角煮などの濃いご飯がそれに当たると思いました。
ぜひ皆さんもSORACHI 1984を楽しんでみてください!
SORACHI 1984が飲める場所・購入できる場所
SORACHI 1984が飲めるお店は、公式のブランドサイトにあるのでそちらからご覧ください。
また、コンビニではあまり見かけないかもしれませんが、酒屋やスーパーに置いてある所はあります。私もいくつかのお酒の種類が豊富なスーパーでは見かけました。
お店でも、スーパーや酒屋でSORACHI 1984を見つけた際はぜひお手にとってみてください!
まとめ
サッポロビールの静岡工場で製造されている「SORACHI 1984」の特徴や歴史を紹介しました。
今でこそクラフトビールが流行りだし受け入れられていますが、それよりももっと前に開発され、受け入れられない時期が長年ありながら今では伝説のホップとしてファンと一緒にブランドを作り上げていることを知って感動しました!
ぜひこの記事を読んだ方にはSORACHI 1984を見つけたら飲んでみてください。
そして、国産ソラチエース100%のビールの製造を応援しましょう!